退職前の有給休暇はすべて使用させる必要がある!?
- clarice179
- 2024年4月13日
- 読了時間: 2分
お問い合わせでかなりの数があるご質問です!!
「労働者の権利なんだから全部使わせろ!!」
「使えないのだから会社が買取してくれ!!」
「できないなら労基署に言うぞ!!」
なんて脅してくる人もいますよね。では実際に有ったご質問をご紹介します。
概要
●退職までに有給休暇38日分をすべて使用させろと言われている
●退職まですべて使用したとしても12日分は使えきれない
●使えきれないので、12日分を買い取れと迫ってきている
相談内容
退職者から有給を全部使用したいと言っている。これって使用させないといけないの?
今、38日分残っているので退職までだと12日分使用できないけど…
その場合は退職日を後ろにするか?残日数を買い取る形にすればよいですか?
この様に「権利」を拡大解釈してくる方は多くいますよね。しかし、有給休暇は会社側に「付与義務」がありますが、有給休暇をどのように使う(時季指定する)かは労働者の自由なんです。
また、退職日は退職の意向を伝えてから2週間以上経過すれば退職できると民法627条に規定されているので、それ以降であれば労働者側が自由に退職日を決められますよね。
ということは...
労働者の権利として、自分で退職日を決めて、自分で有給休暇の時季を指定したのです。
にもかかわらず、「使えないのは会社の責任として買い取れ!?」とはおかしな話です。
これを踏まえて私の回答を見てください。
回答
先ずは退職願を出されて、その退職日を了承してください。
これで従業員と使用者の退職の合意が出来き、退職する日も決まりますよね。決まった日から逆算して、従業員が年次有給休暇の時季指定をしたのであれば、退職日までは年次有給休暇を取得させる必要があります。
退職日を超えての時季変更権は使えない(例:10日出勤日があり、10日有給がある場合に、1日引継ぎで出勤してもらった場合、他の日に有給休暇を変更することが出来ない)からです。ただし、退職後に有給休暇の残日数は使用させる必要はなく、買い取る必要もありません。
この買取に関して、法律上、本来は違法となっています。唯一買取が許されているのが、退職時に買取をする場合となってますが、買取をしなくてはいけないとはなっていません。
つまりは、有給残日数に合わせて退職日を後ろに倒す必要はなく、買い取る必要もないという事です!!
最近はSNSなどで自分の権利を拡大解釈して主張してくる方が多い傾向です。事業主も正しい法律の知識を身に着けてしっかりと対応しないと、大変な時代となりました。
しかし、皆様はご自身の仕事で忙しく、そのようなところまで手が回らないのではないかと思います。
そんな時は、労働法規の専門家である社労士に相談してください。
私に相談してくれると大変ありがたいですが、契約されている社労士さんがいるならそちらへご相談ください。
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