なぜ「顧問契約がないと不安」と感じるのか?
- 代表 風口 豊伸

- 3 日前
- 読了時間: 8分
前回は、このシリーズの目的と、読者から寄せられた「顧問契約がないと不安」という声についてお伝えしました。今回は、なぜ多くの経営者が「顧問契約がないと不安」と感じるのか、その理由を分析します。不安の正体が分かれば、不安は半減します。一緒に、その不安の正体を見ていきましょう。
目次
「顧問契約=安心」という刷り込み
社労士業界の営業トーク
実際に必要なサポートとは何か
不安の正体を明らかにする
「不安」と「実際のリスク」は別物
今日のまとめ
次回予告
1. 「顧問契約=安心」という刷り込み
多くの経営者が「顧問契約がないと不安」と感じる最大の理由は、
「顧問契約=安心」という刷り込みが、長年にわたって行われてきたから
です。
どこから刷り込まれるのか?
この刷り込みは、様々な場面で行われています。
◆社労士事務所のホームページ
多くの社労士事務所のホームページには、顧問契約の料金しか掲載されていません。
単発料金の記載はなく、「社労士=顧問契約」という印象を与えます。
◆税理士からの紹介
税理士から社労士を紹介される際、多くの場合、顧問契約を前提とした紹介になります。
「社労士と顧問契約を結んでおいた方が安心ですよ」
こうした言葉により、顧問契約が当たり前だと思い込んでしまいます。
◆経営者仲間の話
「うちは社労士と顧問契約を結んでいる」
経営者仲間からこうした話を聞くと、「自分も顧問契約を結ばなければ」と思ってしまいます。
◆インターネットの情報
「社労士 選び方」「社労士 費用」などで検索すると、ほとんどが顧問契約を前提とした情報です。
単発手続きという選択肢があることすら、知る機会がありません。
結果として
こうした様々な場面での刷り込みにより、多くの経営者が
「社労士=顧問契約」
「顧問契約がないと不安」
と思い込んでしまうのです。
しかし、これは本当でしょうか?
2. 社労士業界の営業トーク
社労士業界には、顧問契約を勧めるための営業トークがいくつかあります。
これらのトークを知ることで、「顧問契約がないと不安」という感情がどこから来るのかが見えてきます。
営業トーク①:「いつでも相談できる安心感」
「顧問契約を結んでいれば、いつでも気軽に相談できますよ」
一見、魅力的に聞こえます。
しかし、実際には:
「いつでも」と言いながら、返信が遅い
「気軽に」と言いながら、実際には相談しづらい雰囲気
年間を通じて相談することがほとんどない
前回シリーズで紹介した事例では、「いつでも相談できる」はずの顧問契約でも、問い合わせへの返信が遅く、対応が悪いケースが多くありました。
営業トーク②:「緊急時に対応できます」
「顧問契約を結んでいれば、緊急時にすぐ対応できます」
これも魅力的に聞こえます。
しかし、実際には:
顧問契約を結んでいても、手続き完了まで1ヶ月以上かかる
緊急時でも「確認します」「処理中です」と言われるだけ
後回しにされる企業もある
顧問契約があるからといって、緊急時に優先してもらえるとは限りません。
営業トーク③:「法改正に対応できます」
「顧問契約を結んでいれば、法改正の情報をお知らせします」
これも重要に聞こえます。
しかし、実際には:
法改正の情報が来ない
来ても、形式的なお知らせだけ
実際の対応は別料金
顧問契約を結んでいても、法改正への実質的な対応がされていないケースもあります。
営業トーク④:「継続的なサポートが必要です」
「労務管理は継続的なサポートが必要なので、顧問契約が必須です」
これも説得力があるように聞こえます。
しかし、実際には:
手続きは年に数回程度
労務相談もそれほど頻繁ではない
継続的なサポートと言っても、実際には何もしていない
本当に継続的なサポートが必要なのは、従業員50名以上の企業や、毎月入退社がある企業など、限られた企業だけです。
これらの営業トークの共通点
これらの営業トークに共通しているのは、
「顧問契約がないと困る」という不安を煽る
ということです。
「いつでも相談できない」 「緊急時に対応してもらえない」 「法改正に対応できない」 「継続的なサポートがない」
こうした不安を感じさせることで、顧問契約を結ばせるのです。
3. 実際に必要なサポートとは何か
では、実際に企業が社労士に必要とするサポートとは、何でしょうか?
従業員50名未満の企業を例に考えてみましょう。
年間で発生する手続き
◆定期的な手続き(別料金):
算定基礎届(年1回・7月)→ ほとんどの事務所で別料金
労働保険の年度更新(年1回・7月)→ ほとんどの事務所で別料金
◆不定期な手続き:
入社手続き(年に数回程度)
退社手続き(年に数回程度)
扶養異動届(発生した時)
月額変更届(昇給・降給があった時)
◆その他:
36協定届(年1回・提出期限前)
就業規則の変更(必要に応じて)
労務相談
労働時間の管理についての相談
休暇制度についての相談
賃金計算についての相談
従業員対応についての相談
これらは、毎月発生するわけではありません。
実際の頻度
従業員50名未満の企業の場合、顧問契約で実際に依頼する内容は:
入退社手続き:年に数回程度
扶養異動届:年に0〜数回程度
月額変更届:年に0〜1回程度
労務相談:年に0〜数回程度
つまり、年間を通じて手続きや相談が全くない企業も多く、あったとしても年に数回程度です。
算定基礎届と年度更新は、ほとんどの社労士事務所で別料金のため、顧問契約の中に含まれません。
結果として、毎月顧問料を払っているのに、実際には年間で何もしてもらっていない、または数回程度しか使っていないという企業がほとんどなのです。
本当に必要なサポート
企業が本当に必要としているのは:
必要な時に、確実に対応してもらえること
手続きが正確であること
法令リスクを見逃さないこと
料金が明確であること
いざという時に頼れること
「毎月顧問料を払い続けること」ではありません。
年間で数回しか使わないのに、毎月顧問料を払い続ける必要があるのでしょうか?
4. 不安の正体を明らかにする
ここまで見てきたことを整理すると、「顧問契約がないと不安」という感情の正体が見えてきます。
不安の正体①:刷り込みによる思い込み
「社労士=顧問契約」という刷り込みにより、顧問契約がない状態を想像できない。
想像できないから、不安に感じる。
不安の正体②:営業トークによる煽り
「顧問契約がないと困る」という営業トークにより、不安が増幅される。
実際には困らないのに、困ると思い込んでしまう。
不安の正体③:情報不足
単発手続きという選択肢があることを知らない。
知らないから、他の選択肢を考えられない。
不安の正体④:具体的なイメージができない
単発手続きで実際にどう運用するのか、具体的なイメージができない。
イメージできないから、不安に感じる。
つまり
「顧問契約がないと不安」という感情の正体は、実際のリスクではなく、「知らないこと」「イメージできないこと」への不安なのです。
5. 「不安」と「実際のリスク」は別物
ここで重要なのは、
「不安」と「実際のリスク」は別物
だということです。
不安はあるが、実際のリスクは低い例
例①:飛行機への不安
多くの人が飛行機に不安を感じますが、統計的には自動車よりもはるかに安全です。
不安を感じるからといって、実際のリスクが高いわけではありません。
例②:単発手続きへの不安
「顧問契約がないと不安」と感じるからといって、実際に困るわけではありません。
実際には、単発手続きで十分に対応できる企業が多いのです。
実際のリスクを確認する
不安を感じた時に大切なのは、
「実際にどんなリスクがあるのか?」
「そのリスクは本当に起こるのか?」
を冷静に確認することです。
次回以降の記事では、この「実際のリスク」について、一つひとつ検証していきます。
緊急時に本当に対応してもらえないのか?
相談したい時、本当に相談できないのか?
年次手続きは本当に忘れてしまうのか?
法改正に本当に対応できないのか?
これらを検証することで、不安が「実際のリスク」なのか、「思い込み」なのかが明らかになります。
6. 今日のまとめ
今回は、「顧問契約がないと不安」と感じる理由を分析しました。
不安の正体:
「顧問契約=安心」という刷り込み
社労士業界の営業トーク
情報不足
具体的なイメージができないこと
重要なポイント:
「不安」と「実際のリスク」は別物
不安を感じるからといって、実際に困るわけではない
実際のリスクを冷静に確認することが大切
不安の正体が分かれば、不安は半減します。
そして、次のステップは、「実際のリスク」を一つひとつ検証していくことです。
7. 次回予告
次回は、第3回「『毎月顧問料を払わないと、いざという時に対応してもらえないのでは?』」をお届けします。
最も多い不安の一つ、「緊急時の対応」について詳しく解説します。
緊急時とは、具体的にどんな場面か
単発手続きでも緊急時に対応してもらえるのか
顧問契約があれば、緊急時に優先してもらえるのか
実際の対応事例
緊急時に困らないための準備
「緊急時に対応してもらえない」という不安が、本当にリスクなのか、思い込みなのか。
実際の事例を基に、検証していきます。
次回もぜひご覧ください。

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