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年間手続き回数と顧問料を比較してみたら驚きの結果が!

 前回は、なぜ多くの経営者が「顧問契約必須」と思い込んでしまうのか、その背景をお話ししました。今回は、より具体的に数字で検証してみましょう。

 実際のスタートアップや零細企業で発生する社労士業務の頻度と、顧問契約の年間コストを比較すると、驚くべき結果が見えてきます。「毎月顧問料を払っているのに、何もお願いすることがない」という顧問先様の声が、数字で裏付けられるのです。

目次

  1. 典型的なスタートアップの年間業務を洗い出してみる

  2. 顧問契約の年間コスト分析

  3. 単発契約での年間コスト計算

  4. コストパフォーマンス比較の驚きの結果

  5. 「何もない月」の実態

1. 典型的なスタートアップの年間業務を洗い出してみる

 従業員数3~10名程度のスタートアップ企業で、実際に社労士に依頼が発生する業務を月別に整理してみましょう:

年間スケジュール

  • 4月:入社手続き(1名)

  • 6月:労働保険年度更新手続き

  • 7月:算定基礎届手続き

  • 10月:退社手続き(1名・離職票作成)

  • 3月:36協定届出

業務頻度の実態

  • 手続きが発生する月:年間5ヶ月

  • 何も発生しない月:年間7ヶ月

  • 労務相談:問題発生時のみ(年0~2回程度)

 つまり、年間の半分以上は社労士に依頼する業務が全く発生していないというのが実態なのです。

2. 顧問契約の年間コスト分析

 従業員数3~10名程度の企業における顧問契約料金を見てみましょう:

標準的な顧問契約料金

  • 月額顧問料:15,000円~20,000円

  • 年間顧問料:180,000円~240,000円

別途発生する費用

 顧問契約を締結していても、多くの社労士事務所では以下の年次手続きを月額顧問料として別途請求します

  • 労働保険年度更新:月額顧問料1ヶ月分(15,000円~20,000円)

  • 算定基礎届:月額顧問料1ヶ月分(15,000円~20,000円)

  • 36協定作成・提出:無料(顧問契約特典とする場合もあり)

年間総額

顧問契約の場合:年間210,000円~280,000円 (月額17,500円×12ヶ月+年次手続き費用35,000円で計算)

3. 単発契約での年間コスト計算

 同じ業務を単発で依頼した場合のコストを計算してみます:

単発手続き料金(新規企業の場合)

  • 社会保険資格取得(初回):30,000円

  • 社会保険資格取得(2回目以降10,000円


  • 社会保険資格喪失(初回):30,000円

  • 社会保険資格喪失(2回目以降10,000円


  • 雇用保険資格取得(初回):30,000円

  • 雇用保険資格取得(2回目以降10,000円


  • 雇用保険資格喪失・離職票あり(初回):40,000円

  • 雇用保険資格喪失・離職票あり(2回目以降20,000円


  • 雇用保険資格喪失・離職票なし(初回):30,000円

  • 雇用保険資格喪失・離職票なし(2回目以降10,000円


  • 労働保険年度更新(初回):45,000円

  • 算定基礎届(初回):45,000円

  • 36協定作成・提出:20,000円

  • 労務相談:1時間5,000円

年間発生業務のコスト計算(スタートアップ初年度想定)

  • 社会保険資格取得(年1名・初回):30,000円

  • 雇用保険資格取得(年1名・初回):30,000円

  • 社会保険・雇用保険資格喪失(年1名・離職票あり・時季ずれで2回目以降料金):10,000円+20,000円=30,000円

  • 労働保険年度更新(初回):45,000円

  • 算定基礎届(初回):45,000円

  • 36協定作成・提出:20,000円

  • 労務相談(年2回):5,000円×2回=10,000円

年間総額

単発契約の場合:年間210,000円(初年度)

2年目以降の年間コスト

 会社必要情報登録を終えた2年目以降は大幅にコストダウン:

  • 社会保険資格取得(年1名・2回目以降):10,000円

  • 雇用保険資格取得(年1名・2回目以降):10,000円

  • 社会保険・雇用保険資格喪失(年1名・離職票あり・2回目以降):10,000円+20,000円=30,000円

  • 労働保険年度更新(2回目以降):25,000円

  • 算定基礎届(2回目以降):25,000円

  • 36協定作成・提出:20,000円

  • 労務相談(年2回):5,000円×2回=10,000円

単発契約の場合:年間130,000円(2年目以降)

4. コストパフォーマンス比較の驚きの結果

費用比較結果

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初年度から単発契約の方が年間3.5万円安く、2年目以降は年間11.5万円も安い!

長期的なコストパフォーマンス分析

 3年間の累計費用を比較すると:

  • 顧問契約:245,000円×3年=735,000円

  • 単発契約:210,000円+130,000円×2年=470,000円

  • 3年間で265,000円の差額

5年間では:

  • 顧問契約:245,000円×5年=1,225,000円

  • 単発契約:210,000円+130,000円×4年=730,000円

  • 5年間で495,000円の差額

真のコストパフォーマンス

この比較から見えてくる重要なポイント:

  1. 初年度から明確に単発契約が有利

  2. 2年目以降の差額はさらに拡大(年間11.5万円)

  3. 5年間で49.5万円の差額は経営に大きなインパクト

  4. 現実的な人数設定でも圧倒的に単発契約が有利

業務密度の実態

顧問契約で支払う費用を実際の業務時間で割ると:

  • 年間実働時間:約8時間(各手続き×実作業時間)

  • 時間単価:約30,600円(245,000円÷8時間)

一方、単発契約では:

  • 時間単価:約16,250円(130,000円÷8時間、2年目以降)

顧問契約の時間単価は単発契約の約2倍

5. 「何もない月」の実態

顧問先様の実際の声

多くの顧問先様から、このような声をいただいています:

「契約してから3ヶ月経つけど、一度も連絡していない」 「毎月顧問料が引き落とされているけど、何をしてもらっているのかわからない」 「結局、年度更新の時期になって初めて連絡した」

「何もない月」の具体例

年間12ヶ月のうち、実際に業務が発生しない月:

  • 5月、8月、9月、11月、12月、1月、2月:完全に業務なし

  • 4月、6月、7月、10月、3月:業務発生月

 つまり、12ヶ月中7ヶ月は全く業務が発生していないにも関わらず、毎月一定額の顧問料を支払っているのです。

業務密度の問題

顧問契約で支払う費用を実際の業務時間で割ると:

  • 年間実働時間:約20時間(各手続き×実作業時間)

  • 時間単価:約24,000円(480,000円÷20時間)

 これは弁護士並みの時間単価です。しかし、実際の社労士業務の多くは定型的な手続きであり、この時間単価が適正とは言えません。

「安心料」の正体

多くの経営者は「専門家に任せている安心料」と考えがちですが、実際には:

  • 初年度から年間3.5万円の「余分な安心料」

  • 2年目以降は年間11.5万円の「過剰な安心料」

  • 5年間で49.5万円の差額は事業投資に回せる重要な資金

現実的な採用状況を反映した計算

 今回の計算では、現在多くの企業が直面している「採用難」の現実を反映しています:

  • 年間採用:1名程度が現実的

  • 年間離職:1名程度(多くても)

  • 大量採用・大量離職は零細企業では非現実的

つまり、最も現実的な想定でも、単発契約は圧倒的にコストパフォーマンスが優れているのです。

まとめ

 現実的な採用状況で検証した結果、以下のことが明らかになりました:

  1. 初年度から単発契約が明確に有利(年間3.5万円安い)

  2. 2年目以降の差額はさらに拡大(年間11.5万円安い)

  3. 5年間で49.5万円の差額は経営に大きなインパクト

  4. 7ヶ月間は全く業務が発生しない現実は変わらず

 特に重要なのは、現在の採用難の状況を反映した現実的な想定(年間採用1名、離職1名程度)でも、単発契約の優位性は圧倒的だということです。

 多くの社労士事務所が想定する「年間複数名の採用・離職」は、現在の零細企業の実態とは乖離しています。実際の経営環境に即したコスト計算をすることが重要です。

 また、単発契約では 企業の実際の採用状況に合わせて支払いが変動します。採用がなければ手続き費用も発生しません。一方、顧問契約では採用の有無に関係なく固定費が発生し続けます。

 スタートアップにとって、年間11.5万円の固定費削減は事業成長への重要な投資資金となります。その資金を採用活動や事業開発に投資する方が、企業価値向上につながるのではないでしょうか。

 次回は「『法改正についていけない』という不安を煽る営業トークの真実」と題して、顧問契約の営業でよく使われる「法改正対応」の実態を検証します。

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