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皆様が顧問契約が必須と考えてしまうその理由

 スタートアップや零細企業の経営者が初めて従業員を雇う際、多くの方が「社労士との顧問契約は必須」と考えがちです。しかし、本当にそうでしょうか?

 実際には、毎月手続きや相談が発生する企業はほとんど存在しないにも関わらず、なぜ多くの経営者が顧問契約を「当然必要なもの」と思い込んでしまうのでしょうか。その背景には、業界特有の情報提供の仕組みと営業手法があります。

 本シリーズでは、15回にわたって「必要な時だけ社労士サービス」の合理性について、実体験に基づいてお伝えしていきます。

目次

  1. スタートアップ経営者の素朴な疑問

  2. 情報収集で見えてくる「顧問契約前提」の世界

  3. 実際の営業現場で起こること

  4. 「必須」と思わせる心理的要因

  5. 企業の実態と業界常識のギャップ

1. スタートアップ経営者の素朴な疑問

 初めて従業員を雇うことになった経営者の多くは、このような疑問を抱きます:

「雇用保険や社会保険の手続きって、自分でできるのかな?」 「法律が複雑そうだし、専門家に頼んだ方が安心だよね」 「でも、どこに頼めばいいんだろう?」

 これは至極当然の疑問です。労働社会保険の手続きは確かに専門的な知識を要する分野であり、間違いがあってはならない重要な業務だからです。

 そこで多くの方が取る行動は、インターネットで「雇用保険 手続き 代行」「社会保険 スタートアップ」などのキーワードで検索することです。


2. 情報収集で見えてくる「顧問契約前提」の世界

 検索結果に表示される社労士事務所のホームページを見ると、ある共通点があることに気づくでしょう:

  • 料金表には「顧問契約料金」のみ掲載

  • 単発手続きの料金は「お問い合わせください」

  • 「継続的なサポート」の重要性を強調

  • 「法改正対応」の必要性を前面に押し出し

 これらの情報を目にした経営者は、自然と「社労士に依頼するなら顧問契約が基本なんだな」と思い込むようになります。

 実は、これは意図的な情報提示なのです。多くの社労士事務所では、安定した収入源となる顧問契約を優先し、単発業務は積極的に受けないというスタンスを取っています。


3. 実際の営業現場で起こること

 実際に社労士事務所を訪問すると、以下のような説明を受けることが一般的です:

典型的な営業トーク

  1. 「顧問契約が必要である旨を説明」 「顧問契約を結ばないと、これからの労働社会保険の法改正についていけませんよ」

  2. 「契約を結べばお安く手続きができる」 「単発だと割高になってしまいますが、顧問契約なら各種手続きを優遇料金で」

  3. 「36協定は無料で作成」 「顧問先様には36協定の作成から労基署への提出まで無料でサービス」

  4. 「助成金の申請は契約先様限定」 「助成金の申請は、顧問契約を結んでいる企業様以外では受け付けられません」

 これらの説明は、一見すると企業にとってメリットがあるように聞こえます。しかし、果たして本当にそうでしょうか?


4. 「必須」と思わせる心理的要因

 経営者が顧問契約を「必須」と考えてしまう心理的要因を分析してみましょう:

情報の非対称性

 社労士は専門知識を豊富に持っている一方、経営者は労働社会保険について詳しくありません。この知識格差により、専門家の説明を鵜呑みにしがちになります。


「安心料」の心理

 「専門家に任せておけば安心」という心理が働きます。特に、法的な責任が伴う分野では、この傾向が強くなります。


「お得感」の錯覚

 「顧問契約なら様々なサービスが含まれてお得」という説明により、実際の利用頻度を考慮せずに契約してしまいます。


選択肢の限定

 多くの事務所が顧問契約しか提示しないため、「これが標準なんだ」と思い込んでしまいます。


5. 企業の実態と業界常識のギャップ

 ここで重要な事実をお伝えします:

毎月手続きや相談が発生する企業は、ほとんど存在しません。

実際の企業の労務業務を分析すると:

  • 社会保険手続き:入退社時のみ(不定期)

  • 労働保険手続き:年度更新(年1回)

  • 算定基礎届:年1回の届出

  • 36協定:年1回の届出

  • 労務相談:問題発生時のみ(不定期)

 さらに驚くべき事実があります。顧問契約を締結していても、労働保険の年度更新や算定基礎届などの年次業務については、顧問料とは別に費用が発生しているのが一般的です。

つまり、「顧問契約を結べばお安く手続きができる」という営業トークにも関わらず、実際には:

  • 毎月の顧問料を支払い

  • 年次手続きは別途費用が必要

  • 結果として年間コストは想像以上に高額

 多くのスタートアップや零細企業では、社労士に依頼する業務は月単位ではなく、年単位、または必要時のみの発生なのです。

 にもかかわらず、毎月顧問料を支払い、さらに実際の手続き時には別途費用も支払う契約モデルが「当然」とされているのは、社労士事務所側の経営安定化が最優先されているからに他なりません。


まとめ

 皆様が顧問契約を「必須」と考えてしまう理由は、以下の要因が重なっているからです:

  1. インターネット上の情報が顧問契約前提で構成されている

  2. 社労士事務所の営業手法が顧問契約ありきで設計されている

  3. 専門知識の格差による心理的な依存

  4. 企業の実際の業務頻度と契約モデルのミスマッチへの気づきの欠如


 本当に重要なのは、あなたの会社に本当に必要なサービスは何かを見極めることです。

次回は「実際の手続き頻度と顧問料のコストパフォーマンス分析」と題して、具体的な数字でこの問題を検証していきます。

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 弊社では、「必要な時だけ社労士サービス」を展開中。

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