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単発手続きだからこそできる、本当の顧客第一主義

 前回は、弊社が単発手続きサービスを始めたきっかけについてお話ししました。今回からは、実際の事例をご紹介していきます。第1回目の事例は、少し特殊です。なぜなら、弊社が**「依頼を受けなかった」**事例だからです。この事例を通じて、単発手続きだからこそできる、本当の顧客第一主義についてお伝えします。

目次

  1. 建築関係の個人事業主様からのご相談

  2. 内容を精査した結果

  3. 弊社からの提案:「依頼しないでください」

  4. お客様の反応と結果

  5. この事例から伝えたいこと

  6. 次回予告

1. 建築関係の個人事業主様からのご相談

 ある日、建築関係の個人事業主様からお問い合わせをいただきました。

 これから初めて従業員を雇用するので、社会保険や雇用保険の手続きをお願いしたいとのことでした。また、ご自身も労災保険の特別加入をしたいというご希望もありました。

 スタートアップの事業主様にとって、初めての従業員雇用は大きな一歩です。手続きに不安があるのは当然のことですし、専門家に任せたいと思われるのも理解できます。

 私は、まず詳しい状況をお伺いするために、お客様とのヒアリングを進めました。


2. 内容を精査した結果

 お客様の状況を詳しくお聞きし、建築業における労働保険や社会保険の仕組みを考えた結果、ある結論に至りました。


このお客様には、弊社に依頼するよりも良い選択肢がある。


 建設業には、建設埼玉や土建組合といった団体があります。これらの団体に加入すると、会費の中に労働保険や労災保険の特別加入の手続き費用が含まれています。

 つまり、弊社に単発で手続きを依頼するよりも、これらの団体に加入した方が、トータルでの経費を大幅に削減できるのです。

 もちろん、弊社にご依頼いただければ売上になります。しかし、お客様にとって最適な選択肢は、明らかに別にありました。

 私は迷いませんでした。


3. 弊社からの提案:「依頼しないでください」

 お客様に、次のようなメールをお送りしました。

 「詳しく状況を伺った結果、弊社にご依頼いただくよりも、建設埼玉や土建組合に加入された方が、経費削減につながることが分かりました。これらの団体では、会費の中で労働保険や労災保険の特別加入の手続きを行ってくれます。弊社に依頼されるよりも、はるかにコストを抑えることができます。」

 そして、こう付け加えました。

 「ただし、36協定届や就業規則の作成、労務管理のご相談、勤怠システムの導入など、建設埼玉等ではできない業務が発生した場合には、ぜひ弊社にご依頼ください。必要な時だけのご利用で構いません。」

 正直に申し上げると、この判断には葛藤がなかったわけではありません。独立したばかりの頃であれば、なおさらです。

 しかし、「必要な時だけ社労士サービス」を掲げる以上、本当にお客様にとって何が必要なのかを第一に考えるべきだと思いました。


4. お客様の反応と結果

 数日後、お客様からメールをいただきました。

 「アドバイスありがとうございました。教えていただいた通り、建設埼玉に加入することができました。従業員の雇用手続きも無事に完了しました。本当にありがとうございます。」

 そして、こう続いていました。

 「正直、他の社労士事務所にも問い合わせをしていたのですが、こんなアドバイスをくれたのは御社だけでした。自分の利益よりも、私の会社のことを考えてくれたことに感謝しています。事業が上手くいって、従業員が増えたら、必ず御社にお願いします。

 このメールを読んだとき、私の判断は間違っていなかったと確信しました。


5. この事例から伝えたいこと

 この事例から、3つのことをお伝えしたいと思います。


(1)単発手続きだからこそできる柔軟な提案

 顧問契約を必須としているわけではないからこそ、お客様にとって本当に必要なものを提案できます。

 もし顧問契約の獲得が目的であれば、「とりあえず契約してもらおう」という発想になりがちです。しかし、単発手続きを中心としているからこそ、「本当に弊社が必要ですか?」という問いを、自分自身に投げかけることができます。


(2)目先の売上よりも長期的な信頼関係

 この事例では、弊社は売上ゼロでした。しかし、お客様からの信頼と感謝をいただきました。

 そして、「事業が拡大したら必ず依頼する」という約束をいただきました。これは、目先の数万円よりも、はるかに価値のあるものだと思っています。

 ビジネスは長期的な視点が大切です。一時的な売上のために無理な提案をするよりも、お客様にとって最適な選択肢を提示することで、本当の信頼関係が生まれると信じています。


(3)「必要な時だけ」の本当の意味

 「必要な時だけ社労士サービス」の本当の意味は、「お客様が本当に必要としている時だけ」ということです。

 社労士が必要ない時には、無理に依頼していただく必要はありません。しかし、36協定届や就業規則、労務トラブルなど、専門家のサポートが必要な場面が必ず訪れます。

 その時に、「あの社労士に相談しよう」と思い出していただけるような関係を築くこと。  それが、弊社の目指す姿です。


6. 次回予告

 次回は、入退社手続きのご依頼をきっかけに、思わぬ法令違反が発覚した事例をご紹介します。

 実は、お問い合わせをいただいた企業のうち、5社で36協定届の未提出が判明しました。36協定を提出せずに時間外労働をさせることは、労働基準法違反です。

 しかし、多くの経営者がこの事実を知らないまま、日々の業務を行っています。

 単発手続きは、単なる書類作成の代行ではありません。手続きのご依頼を受ける際に、企業の実態をヒアリングし、法令リスクを発見し、適切なアドバイスを行うこと。それも、弊社の重要な役割だと考えています。

 次回は「手続きだけでは終わらない〜単発依頼で見つかる法令リスク〜」と題して、36協定未提出が発覚した事例をお伝えします。


 ぜひ次回もご覧ください。


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弊社では、「必要な時だけ社労士サービス」を展開中。

 本当に必要だと思ったときに、単発にてお手続きの代行をさせて頂きます。

 顧問契約を結ぶほどじゃないとお考えの経営者様に寄り添ったサービスと自負しております。


 現在顧問契約をお締結中の経営者様も、どちらが社労士費用の年間経費削減をできるのかを無料診断しております。費用は掛かりませんのでこの機会に、無料診断を受けて、費用削減をしてみませんか?


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