繰り返されるミスと放置〜従業員に実害が出た顧問契約〜
- 代表 風口 豊伸

- 2月1日
- 読了時間: 8分
前回は、料金の不透明さに気づいた企業の事例をご紹介しました。今回は、繰り返される手続きミスと放置に苦しんだ企業の事例をお伝えします。手続きミスは単なる不便では済みません。従業員に実害をもたらし、企業の信頼を損ないます。そして、こうしたミスが繰り返されることで、経営者は苦悩の日々を過ごすことになります。
目次
事例の概要
ミス①:36協定届の提出期限に間に合わなかった
ミス②:自分が作った給与規程を守らない社労士
ミス③:急ぎの離職票を放置
ミス④:法改正未対応の就業規則
経営者の葛藤と決断
弊社での対応と切り替え後の変化
次回予告
1. 事例の概要
この事例は、従業員5〜30名規模の企業で発生しました。業種は様々ですが、共通しているのは、顧問社労士の手続きミスと放置が繰り返されていたことです。
月額顧問料は、企業の規模によって異なりますが、2〜5万円程度を払っていました。
「プロに任せているから安心」
そう信じて顧問契約を結んでいましたが、実際には次々と問題が発生しました。
2. ミス①:36協定届の提出期限に間に合わなかった
ある企業では、時間外労働が発生するため、36協定届の作成・提出を顧問社労士に依頼しました。
36協定届には押印が必要ないのですが、協定書と合わせた書式を使用していたため、押印欄がありました。社労士から「押印をお願いします」と依頼があり、経営者はすぐに対応しました。
押印したスキャンデータを社労士に送り、「申請をお願いします」とメッセージを送りました。
その後、何の連絡もありません。
1週間が経った頃、顧問社労士からメールが届きました。
「捺印した原本を送ってください」
経営者は、「スキャンデータではダメだったのか」と思い、原本を郵送する準備をしました。しかし、このメールに気づくのが遅れてしまいました。
メールでの連絡だったため、他の業務に追われている中で見落としてしまったのです。
数日後、メールに気づいて慌てて原本を郵送しましたが、結局、提出期限に間に合いませんでした。
36協定を提出せずに時間外労働をさせることは、労働基準法違反です。
経営者は、知らないうちに法令違反の状態に置かれていたのです。
「最初から原本が必要だと言ってくれれば...」
「電話で連絡してくれれば、すぐに対応できたのに...」
経営者は、顧問社労士とのコミュニケーションの問題も感じました。重要な連絡がメールだけで済まされ、確認が遅れたことで期限に間に合わなかった。
「プロに任せていたのに、なぜこんなことに...」
3. ミス②:自分が作った給与規程を守らない社労士
別の企業では、さらに深刻な問題が発生しました。
就業規則の給与規程を、顧問社労士が作成しました。専門家が作ったものなので、経営者は安心していました。
しかし、ある時、従業員から「給料の計算が合わないのですが...」という指摘を受けました。
詳しく調べてみると、顧問社労士の給与計算が、自分が作った給与規程の通りになっていなかったのです。
残業代の計算基礎が間違っており、未払賃金が発生していました。
「自分で作ったルールを、自分で守れていないってどういうこと?」
経営者は、言葉を失いました。
しかも、給与規程を作成したのも、給与計算をしているのも、同じ顧問社労士なのです。
4. ミス③:急ぎの離職票を放置
ある企業では、従業員が退職することになりました。
その従業員は、すぐに失業保険の手続きをしたいため、離職票が急ぎで必要でした。経営者はその旨を明確に顧問社労士に伝え、退職手続きを依頼しました。
「急ぎでお願いします。本人がすぐに必要としています。」
しかし、1週間経っても連絡がありません。
退職者から「離職票はまだですか?」と問い合わせがあり、経営者は顧問社労士に催促しました。
「確認します」という返事だけ。
1週間経っても、手続きは完了していませんでした。
退職者から何度も連絡があり、経営者は板挟みになりました。
「申し訳ございません。確認します...」
退職者との関係も悪化し、会社の評判にも影響しかねない状況でした。
結局、手続きが完了したのは、依頼から2週間後でした。
5. ミス④:法改正未対応の就業規則
別の企業では、就業規則の作り変えを顧問社労士に依頼しました。
「最新の法律に対応した就業規則にしてほしい」と明確に伝えました。
完成した就業規則を受け取り、経営者は安心しました。
しかし、後日、別の専門家に確認してもらったところ、法改正の内容が反映されていないことが判明しました。
古い法律のままの規定が残っており、このままでは法令違反のリスクがあったのです。
「プロに頼んで作ってもらったのに、法改正に対応していないなんて...」
経営者は、愕然としました。
6. 経営者の葛藤と決断
これらのミスが繰り返される中で、経営者は深い苦悩を抱えていました。
従業員への申し訳なさ
離職票の遅れでは、退職者に何度も謝罪しなければなりませんでした。
給与計算ミスでは、従業員に正確な給料を払えていませんでした。
「会社が信頼されなくなる...」
顧問社労士への不信感
「顧問料を払っているのに、なぜこんなミスが繰り返されるのか?」
「36協定の重要な連絡がメールだけで、期限に間に合わないなんて...」
「自分で作った給与規程を、自分で守れないって...」
「法改正に対応していない就業規則を作るなんて、プロとして失格では?」
切り替えへの決断
「これ以上、従業員に迷惑をかけられない」
「会社の信頼を守るためには、もう変えるしかない」
経営者は、顧問契約の切り替えを決断しました。
7. 弊社での対応と切り替え後の変化
弊社にご相談をいただいた際、まず過去のミスの全件確認を行いました。
36協定届の緊急対応
提出期限が過ぎていた36協定届を、すぐに作成・提出しました。
速やかに届出を行うことで、法令遵守体制を整えました。
また、今後は重要な連絡については、メールだけでなく電話でもご連絡することをお約束しました。
未払賃金の計算と是正
給与規程を精査し、正しい計算方法を確認しました。
過去の給与計算をチェックし、未払賃金の額を正確に計算しました。
経営者には、未払賃金の支払い方法についてアドバイスを行い、従業員への説明と謝罪をサポートしました。
就業規則の法改正対応
就業規則を全面的に見直し、最新の法改正に対応した内容に修正しました。
法令違反のリスクを取り除き、安心して運用できる就業規則を整えました。
丁寧な確認と報告
弊社では、一つひとつの手続きを丁寧に確認し、ミスのないよう細心の注意を払っています。
また、完了時には必ず報告書をお送りし、何が完了したのかを明確にお伝えします。
進捗状況も随時ご報告するため、「今どうなっているのか分からない」という不安がありません。
重要な連絡については、メールだけでなく電話でもお伝えし、確実に情報が届くよう配慮しています。
切り替え後の変化
手続きの正確さ:
ミスがなくなった
法令遵守体制が整った
安心して業務を進められるようになった
コミュニケーション:
重要な連絡は電話でも確認してもらえる
進捗状況が分かるので安心
「今どうなっているか」が明確
従業員との関係:
手続きが正確・迅速になり、従業員からの信頼が回復
「会社がちゃんとしている」という安心感
経営者の精神的負担:
「また間違えるのでは」という不安がなくなった
従業員への申し訳なさから解放された
催促する必要がなくなり、ストレスが減った
「手続きミスがなくなり、従業員に安心して対応できるようになりました。これが、本来あるべき姿だと思います。今までの状態が異常だったんだと、改めて気づきました。」
経営者からは、こうした感想をいただきました。
8. 次回予告
今回は、繰り返される手続きミスと放置に苦しんだ企業の事例をご紹介しました。
36協定の期限遅れ、自分で作った給与規程を守らない、急ぎの離職票を放置、法改正未対応の就業規則...。これらは、決して許されるミスではありません。
次回は、さらに深刻な事例をお届けします。
第11回「『退職者の指示だった』責任を認めない顧問社労士」では、給与計算の構造的なミスにより、全従業員に過去3年分の未払賃金が発生した事例をご紹介します。
そして、顧問社労士はミスを認めず、「退職した社員からの指示だった」と責任を転嫁しました。
月額4万円の顧問料を払っていたにもかかわらず、このような事態になった経営者の怒りと失望、そして解決への道のりをお伝えします。
次回もぜひご覧ください。

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